ダイエット治療において、“糖質制限”と“断酒(アルコール制限)”はナゼ必要なのか?

当院では、ダイエット治療を開始した全患者様に対して、“糖質制限”と、常習的に飲酒をされる方に対しては“断酒(アルコール制限)”を徹底していただきます。

本稿では、ダイエット治療における“糖質制限”と“アルコール制限”の意義を、簡潔かつ分かりやすく説明します。

1. 糖質制限の意義:糖質制限は、炭水化物・砂糖・果物に含まれる果糖の摂取を抑えることで、ダイエット効果や健康改善を目指す方法で、その意義は以下の通りです。

  • 脂肪燃焼の促進
    糖質は体内でブドウ糖に変換され、エネルギー源として優先的に使われます。糖質摂取を減らすと、体内はエネルギー不足を補うために蓄積された脂肪を燃焼し始め、脂肪減少を促進します(ケトーシス状態)。
  • 血糖値の安定化
    糖質の過剰摂取は血糖値の急上昇・急降下を引き起こし、空腹感や過食を誘発します。糖質制限で血糖値が安定すると、食欲が抑えられ、間食や過食が減る。
  • インスリン分泌の抑制
    糖質はインスリン分泌を促し、余剰エネルギーを脂肪として蓄積します。糖質制限によりインスリン分泌が減り、脂肪蓄積が抑えられる。
  • 効果的な体重管理
    糖質制限はカロリー計算が不要で、短期的な体重減少効果が高い。特に内臓脂肪の減少に有効とされる。

2. アルコール制限の意義:アルコール制限は、ダイエット成功と健康維持に重要な役割を果たし、その意義は以下の通りです。

  • カロリー摂取の抑制
    アルコールは高カロリー(1gあたり7kcal)で、ビール350mlで約140kcal、ワイングラス1杯で約80kcal。過剰な飲酒はカロリー過多を引き起こし、脂肪蓄積を促進。
  • 脂肪代謝の阻害
    アルコールは肝臓で優先的に代謝されるため、脂肪の分解が抑制される。特に飲酒時のつまみ(高脂肪・高糖質食品)との組み合わせは脂肪蓄積を加速。
  • 食欲増進と過食リスク
    アルコールは食欲を刺激し、抑制力を低下させるため、過食やジャンクフードの摂取を誘発しやすい。
    また、飲酒後の睡眠の質低下は、食欲を調節するホルモン(レプチン、グレリン)のバランスを崩し、翌日の過食につながる。
  • 内臓脂肪の減少
    過度な飲酒は内臓脂肪蓄積の原因。特にビール腹(腹部肥満)は心疾患リスクを高める。アルコール制限は内臓脂肪減少に有効。

いかがでしょうか?

糖質制限と断酒(アルコール制限)の両方を徹底することで、相乗効果(糖質制限とアルコール制限を組み合わせることで、カロリー摂取と脂肪蓄積を抑え、脂肪燃焼を最大化。血糖値やホルモンバランスの安定化も促進し、ダイエットの効率が上がる)を得ることができます。また、体重減少だけでなく、肝臓負担の軽減、血圧や血糖値の改善、睡眠の質向上など、全身の健康効果が期待できます。

糖質制限は脂肪燃焼と食欲抑制を促し、アルコール制限はカロリー過多と脂肪代謝の阻害を防ぐため、ダイエットにおいて両者は相互に補完的な役割を果たします。

効果的なダイエット治療結果を得るためには、“糖質制限”と“断酒(アルコール制限)”の両方を徹底しなければなりません。

タイトルとURLをコピーしました