なぜ、糖質を摂り過ぎると肥満するのか?

肥満の原因は“糖質の摂り過ぎ”です。脂肪の摂りすぎは肥満の原因では無く、むしろ良質な脂質(不飽和脂肪酸 など)を摂取するとむしろ痩せることが近年の医学研究で分かっています。

本稿では、なぜ“糖質の過剰摂取は肥満の原因になるのか? 糖質とは何か?”について解説します。

☆糖質(とうしつ)とは、炭水化物の一部で、体内でエネルギー源として利用される三大栄養素の一つです。

以下の特徴があります:

  1. 定義
    糖質は炭素、水素、酸素からなる有機化合物で、単糖(グルコース、フルクトースなど)、二糖(スクロース、マルトースなど)、多糖(デンプン、グリコーゲンなど)に分類されます。炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたもので、糖質は炭水化物の主要なエネルギー供給部分です。
  2. 主な役割
    • エネルギー源:1gあたり約4kcalのエネルギーを供給。脳や筋肉の主要な燃料。
    • 貯蔵:余った糖質は肝臓や筋肉でグリコーゲンとして蓄えられ、必要時にエネルギーとして利用される。
    • 構造的役割:細胞膜やDNAの一部としても機能。
  3. 含まれる食品
    • 単純糖質:砂糖、果物、蜂蜜、菓子類(吸収が速い)。
    • 複合糖質:米、パン、パスタ、芋類、全粒穀物(吸収が比較的緩やか)。
    • 加工食品:ジュース、清涼飲料水、スナック菓子などに多く含まれる。
  4. 摂取の注意点
    糖質はエネルギー源として重要ですが、過剰摂取は肥満や血糖値の乱れを引き起こす可能性があります(前の質問で説明した通り)。一方、不足すると疲労感や集中力低下を招くことがあります。

☆糖質を摂り過ぎると肥満するメカニズムは以下の通りです:

  1. インスリンの分泌と脂肪蓄積
    糖質を摂ると血糖値が上がり、インスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは血糖を細胞に取り込む一方、余った糖を脂肪として蓄える働きがあります。糖質を過剰に摂ると、インスリンが過剰に分泌され、脂肪の合成が促進されやすくなります。
  2. カロリー過多
    糖質は1gあたり約4kcalのエネルギーを持ちます。糖質を多く含む食品(特に加工食品や甘いもの)はカロリーが高く、必要以上のカロリーを摂取しやすくなります。消費しきれなかったカロリーは脂肪として体内に蓄積されます。
  3. 食欲の増加
    糖質、特に単純糖質(砂糖や白米など)は血糖値を急上昇・急降下させるため、空腹感が早く戻ることがあります。これにより過食につながり、結果的にカロリー摂取量が増えて肥満のリスクが高まります。
  4. 代謝の影響
    過剰な糖質は肝臓で中性脂肪に変換され、脂肪肝や内臓脂肪の蓄積を引き起こすことがあります。これはメタボリックシンドロームのリスクを高め、肥満を悪化させる要因になります。

いかがでしょうか?

糖質(炭水化物{お米・パン・麺類・蕎麦 等の穀物由来の食品}、砂糖、果糖(果物)など)を摂り過ぎると、インスリンによる脂肪蓄積、カロリー過多、食欲の増加、代謝の乱れが連鎖的に起こり、肥満につながります。

ダイエット治療で最も効果的な方法は糖質制限を意識したとバランスの良い食事です。

でも、こういった栄養療法的ダイエット治療はさまざまな知識や成功体験が必要で、一朝一夕にできるわけではありません。

ダイエット治療を成功に導くためには、“家庭教師”のようなかかりつけのダイエット治療医をお住まいの地域でみつけて、二人三脚で取り組むことが重要です。

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