
みなさんは、“肥満の原因”は何だとお考えですか?
“脂質(あぶら)の摂りすぎ”だと勘違いしていませんか?
実は、肥満の原因は“脂質の摂りすぎ”ではなく、“糖質の摂りすぎ”が原因です。
では、“糖質”とは何でしょうか?
糖質は、主に炭水化物(糖質+食物繊維)として存在し、食品に含まれる主な糖質は単糖類、少糖類、複合糖質(でんぷんなど)です。
1. 糖質を多く含む食品
- 穀類・でんぷん質食品:
- 米(白米、玄米など)
- パン、麺類(うどん、パスタ、ラーメン)
- シリアル、オートミール
- じゃがいも、さつまいも、とうもろこし
- 糖類を含む食品:
- 砂糖、はちみつ、メープルシロップ
- 菓子類(ケーキ、クッキー、チョコレート、キャンディー)
- 清涼飲料水、ジュース、スポーツドリンク
- ジャム、甘いヨーグルト
- 果物:
- バナナ、りんご、ぶどう、マンゴー、オレンジなど(果糖が主)
- 野菜:
- 根菜類(にんじん、かぼちゃ、レンコン)
- 加工食品:
- 調味料(ケチャップ、みりん、甘いドレッシング)
- インスタント食品やレトルト食品(スープ、カレーなど)
2. 糖質の含有量の目安
- 糖質を多く含む食品: ご飯、パン、麺類、菓子類(1食あたり20g以上の糖質が一般的)、果物、根菜類、乳製品(1食あたり5~15g程度)
- 糖質が少ない食品: 葉物野菜、きのこ、海藻、肉、魚、卵(糖質ほぼ0~5g)
では、この“糖質の過剰摂取”はなぜ、肥満を引き起こすのでしょうか?
以下に、糖質過剰摂取が肥満を引き起こすメカニズムを解説します。
- インスリン分泌の増加: 糖質を過剰に摂取すると、血糖値が急上昇し、膵臓からインスリンが大量に分泌されます。インスリンは血糖を細胞に取り込む一方、脂肪の合成を促進し、脂肪分解を抑制します。
- 脂肪蓄積の促進: 過剰な糖質は体内でグルコースとして処理され、必要以上のエネルギーは中性脂肪に変換され、脂肪細胞に蓄積されます。特に肝臓で脂肪合成が進み、内臓脂肪が増加します。
- エネルギー収支の不均衡: 糖質は高カロリーで、過剰摂取により摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、余剰エネルギーが脂肪として蓄積され、体重が増加します。
- 食欲制御の乱れ: 糖質の急激な摂取は血糖値の急上昇と急降下を引き起こし、空腹感を増大させる場合があります。これにより過食が誘発され、肥満リスクが高まります。
- インスリン抵抗性の発症: 長期的な糖質過剰摂取は全身の細胞の“インスリン抵抗性”を引き起こし、脂肪の蓄積をさらに促進します。これは肥満のさらなる悪化や2型糖尿病発症を誘発してしまいます。
いかがでしょうか?
糖質過剰摂取は、インスリン過剰分泌、脂肪合成の促進、エネルギー収支の不均衡、食欲制御の乱れを通じて肥満を引き起こします。
ダイエット治療の基本は、糖質摂取の制限・調整を基本としながら、必須アミノ酸を中心としたタンパク質の積極的な摂取、不飽和脂肪酸を中心とした良質な脂質の積極的な摂取を通していかに基礎代謝を向上させケトーシスを誘発するかが重要です。加えて、必要に応じてダイエット治療医の介入による糖代謝ならびにエネルギー代謝や脂肪細胞に対する医学的な治療アプローチが必要となります。
“健康的にダイエットしたい”という方は、まずは、お近くのダイエット治療医へ相談することをお勧め致します。
