古来より日本では、お酒やお味噌、お醤油等など、さまざまな食品や調味料などの製造においてこの麹菌が活用されてきました。
麹菌(こうじきん、Aspergillus oryzae)は、主に日本の発酵食品(味噌、醤油、酒、甘酒など)の製造に使われる微生物で、ダイエット効果についもいろいろと分かってきています。
本稿では、この麹菌におけるダイエット効果について解説したいと思います。
1. 消化・吸収のサポート
- 酵素の働き: 麹菌はアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの消化酵素を生成し、炭水化物、たんぱく質、脂質の分解を助けます。これにより、消化吸収がスムーズになり、腸内環境が整うことで代謝が向上する可能性があります。
- 腸内環境の改善: 麹菌由来の発酵食品(例:味噌、甘酒)には、善玉菌を増やすオリゴ糖や食物繊維が含まれることがあり、腸内フローラのバランスを整える効果が期待されます。健康な腸内環境は、代謝や脂肪蓄積の抑制に間接的に寄与します。
2. 代謝促進
- ビタミンB群の生成: 麹菌は発酵過程でビタミンB1、B2、B6などを生成します。これらのビタミンはエネルギー代謝をサポートし、脂肪や糖の代謝を効率化する可能性があります。
- 血糖値の安定化: 麹菌由来の発酵食品(特に甘酒)に含まれるオリゴ糖やペプチドは、血糖値の急激な上昇を抑える可能性があり、脂肪蓄積を防ぐ効果が期待されます。
3. 食欲コントロールの可能性
- 満足感の向上: 発酵食品はうま味成分(アミノ酸など)が豊富で、少量でも満足感を得やすいため、過食を防ぐ可能性があります。
- 低カロリーな選択肢: 甘酒(砂糖不使用のもの)や味噌汁など、麹菌を使った食品は比較的低カロリーで、食事のカロリーコントロールに役立つ場合があります。
4. 科学的エビデンスの現状
- 麹菌などの発酵食品が腸内環境や糖・脂肪代謝に良い影響を与えることは複数の研究で示唆されています(例:プロバイオティクスの効果に関する研究)。
- 動物実験や臨床研究などより、麹菌由来の成分(ペプチドや酵素)が脂質代謝や肥満改善にポジティブな影響を与える可能性が報告されています。
5. 麹菌のダイエットへの上手な取り入れ方
- 酒粕から作るヘルシー甘酒: 「飲む点滴」と言われる甘酒は、朝食や間食として取り入れると、エネルギー補給と代謝サポートが期待できます。しかし、糖質の摂りすぎはかえって肥満を増悪させるため、ダイエットとして甘酒を頂く場合は、少量の非精製の砂糖(黒糖など)を使用して、自家製で酒粕からお作りになることをお勧めします。
- 味噌汁: 低糖質・低カロリーで栄養豊富な味噌汁は、食事の満足感を高め、過食を抑えるのに役立ちます。
いかがでしょうか?
麹菌などの発酵食品は、腸内環境の改善や代謝機能が改善を通して、肥満改善や健康増進に寄与します。
特にダイエットに取り入れる場合は、麹菌由来の食品(酒粕、味噌など)をバランス良く食事に取り入れ、適度な運動や生活習慣の改善と組み合わせるとより効果的です。
腸内環境の改善には、麹菌などの発酵食品の活用が最も効果的です。みなさんも今日から麹菌を取り入れて、健康的にダイエットに取り組んでみてはいかがでしょうか?


