当院で導入している医療用レーザーによる皮下脂肪溶解除去治療装置“スカルプシュア”は、脂肪細胞に対するアポトーシス誘発効果により生理的に皮下脂肪を溶解除去します。
本稿では、この“アポトーシス”という言葉の意味と原理に関して解説します。
この「アポトーシス」とは、生物の体内で遺伝子によって厳密に制御された計画的な細胞死のことです。古くなった細胞や、異常になった細胞、あるいは役目を終えた細胞が、自ら死を選び、周囲に炎症を起こすことなく静かに処理される仕組みです。木の葉が季節とともに自然に落ちる様子に例えられることもあります。
これに対して、「ネクローシス(壊死)」は、外傷や感染、毒素などによるダメージで細胞が損傷し、制御不能に破裂して死ぬ現象で、周囲に炎症反応を引き起こします。アポトーシスは、体にとって必要な「能動的な細胞死」であり、健康維持に不可欠なプロセスです。
脂肪細胞がアポトーシスを起こすとどうなるか
脂肪細胞がアポトーシスを起こすと、以下のような変化が起こります。
- 細胞の収縮と断片化: アポトーシスが始まると、脂肪細胞は少しずつ収縮し、内部の構造(核や細胞質)が凝縮されます。最終的には、細胞全体が小さな「アポトーシス小体」と呼ばれる断片に分裂します。この過程で、細胞の内容物が外部に漏れ出すことはありません。
- マクロファージによる「貪食」: アポトーシス小体は、体内の免疫細胞の一種である**マクロファージ(貪食細胞)**によって速やかに認識され、食べられます(貪食されます)。マクロファージは、これらの細胞の残骸をきれいに除去し、周囲の組織に炎症が広がるのを防ぎます。
- 体外への排出: マクロファージによって取り込まれた脂肪細胞の残骸は、体内で代謝・分解されます。分解された脂肪成分は、血液やリンパ液に乗って肝臓へと運ばれ、そこでさらに処理されます。最終的には、代謝産物として便や尿と一緒に体外へ排出されます。この排出プロセスは非常にゆっくりと時間をかけて行われるため、急激な体調変化や血中の脂質異常を引き起こすことはありません。
ダイエットにおける脂肪細胞のアポトーシスの意義
従来のダイエット(運動や食事制限)は、脂肪細胞自体の数を減らすのではなく、脂肪細胞一つひとつのサイズを小さくすることで体脂肪を減らしていました。しかし、この方法では脂肪細胞の数は変わらないため、生活習慣が元に戻ると、残った脂肪細胞が再び膨張しやすくなり、リバウンドのリスクが高いという課題がありました。
一方、脂肪細胞がアポトーシスを起こすことで、脂肪細胞の数そのものが減少します。これは、ダイエットにおいて非常に画期的な変化をもたらします。
- リバウンドしにくい体質へ: 脂肪細胞の数が減るということは、脂肪を溜め込める「器」の数が減ることを意味します。そのため、アポトーシスによって脂肪細胞が減少した部位は、リバウンドしにくい体質になると考えられています。
- 長期的な体型維持: 細胞の数自体が減るため、一時的なサイズダウンではなく、長期的な体型維持が期待できます。
医療痩身への応用
この脂肪細胞のアポトーシスを利用した痩身治療が、当院で導入している“スカルプシュア”です。
スカルプシュアは、アポトーシスが誘導されてから脂肪細胞が完全に体外に排出されるまで、通常6ヶ月程度の時間がかかると言われています。
いかがでしょうか?
人間の体の脂肪細胞がアポトーシスを起こすと、その細胞は自然に死滅(プログラムされた細胞死)し、小さな断片に分裂します。 その後、マクロファージという免疫細胞によってきれいに除去・分解され、最終的に体外へ排出されます。
このプロセスによって、脂肪細胞の数そのものが減少するため、リバウンドしにくい体質への変化が期待できるという点で、ダイエット治療において非常に注目されています。
スカルプシュアのような医療用ダイエット痩身治療装置は、GLP-1作動薬(リベルサス、マンジャロ、ゼップバウンド など)のように急性胆嚢炎や急性膵炎、嘔吐、逆流性食道炎、腸閉塞などの有害な副作用のリスクが全く無く、非常に安心安全なダイエット痩身治療法です。このようなダイエット治療法にご興味のある方は、お近くのダイエット治療医へご相談されることをお勧めします。
