“重曹”と“クエン酸”を飲んで、ガンを治しませんか?

がん細胞のキャラクター

“重曹(炭酸水素ナトリウム)”と“クエン酸”の抗がん作用について文献をもとにお話しします。

重曹(sodium bicarbonate)とクエン酸(citric acid)は、どちらもドラッグストアなどで簡単に入手できる身近な薬品ですが、がん治療における抗がん作用については、さまざまな研究でその効果は検証済みです。

これらは腫瘍微小環境の酸性度を調整したり、代謝経路を阻害したりすることで、抗がん的な作用発揮してくれます。

本稿では、いくつかの文献を基に解説します。

1. 重曹の抗がん効果

重曹はアルカリ性物質で、腫瘍微小環境の酸性化(pH低下)を中和し、がん細胞の増殖・転移・薬剤耐性を抑制する可能性が研究されています。がん細胞はWarburg効果により乳酸を大量に産生し、周囲を酸性化しますが、重曹はこの酸を中和して免疫細胞の活性化を促したり、化学療法薬の取り込みを向上させたりします。

  • 主なメカニズム:
    • 腫瘍外pHの上昇:がん細胞の浸潤・転移を抑制。
    • 免疫療法の強化:T細胞の機能を回復(例:白血病モデルで再発予防)。
    • 化学療法の相乗効果:ドキソルビシンなどの弱塩基性薬の細胞内取り込みを増加。
  • 主な文献例:文献概要結果Yang et al. (2020). Integr Cancer Ther. “Does Baking Soda Function as a Magic Bullet for Patients With Cancer? A Mini Review.”動物モデル(乳がん、前立腺がん)で重曹単独投与が腫瘍成長を抑制。化学療法との併用で効果向上。ただし、攻撃的な腫瘍(メラノーマ)では不十分。単独使用は限定的;併用で2-3倍の効果増強。臨床エビデンス不足を指摘。Piao et al. (2019). Cell. “Sodium bicarbonate improves T cell responses in leukemia.”マウスモデルとヒト患者(骨髄移植後再発白血病)で重曹がT細胞を再活性化。10例の患者で副作用なくT細胞機能向上;免疫療法の補助に有望。Raghunand et al. (2001). Neoplasia. “pH-sensitive liposomes for drug delivery.”マウス乳がんモデルで重曹が腫瘍pHを上昇させ、ドキソルビシンの効果を高める。腫瘍成長抑制率向上;ナノ粒子化で効率化。Chao et al. (2016). eLife. “Targeting intratumoral lactic acidosis.”肝細胞がん患者で重曹灌流(TILA-TACE)が化学療法を強化。局所制御率向上;小規模臨床試験で有効。
  • 注意点: 単独使用は「魔法の弾丸」ではなく、補助療法としてのみ有効。過剰摂取で吐き気や不整脈のリスクあり。臨床試験(例:NCT02531919)で安全性確認中。

2. クエン酸の抗がん作用

クエン酸はクエン酸回路(TCA回路)の中心物質で、がん細胞の解糖系を抑制し、ミトコンドリア依存のエネルギー産生を乱すことでアポトーシス(細胞死)を誘導します。高濃度で細胞増殖を阻害し、IGF-1R経路や脂肪酸合成を抑制。低濃度では増殖促進の可能性もあるため、用量依存的です。

  • 主なメカニズム:
    • 解糖系阻害:PFK酵素をフィードバック抑制し、がんのエネルギー供給を断つ。
    • アポトーシス誘導:ミトコンドリア経路を活性化(カスパーゼ活性化)。
    • 腫瘍微小環境調整:高濃度で酸性環境を悪化させ、がん細胞を選択的に殺傷。
  • 主な文献例:文献概要結果Icard et al. (2017). Sci Rep. “Citrate Suppresses Tumor Growth in Multiple Models.”肺がん(A549)マウスモデルでクエン酸投与が解糖・TCA回路を阻害。シスプラチン併用で相乗効果。腫瘍成長抑制;Ras駆動肺腫瘍で退行。IGF-1R経路阻害が鍵。Xiao et al. (2024). FEBS J. “Citric acid promotes SPARC release in pancreatic cancer.”高脂肪食マウス膵がんモデルでクエン酸がSPARC放出を促進し、マクロファージ再分極。アポトーシス誘導・腫瘍成長抑制;高グルコース下で効果大。Zhang et al. (2009). Anticancer Res. “Effect of citrate on malignant pleural mesothelioma.”間皮腫細胞でクエン酸がシスプラチンとの相乗効果。細胞毒性向上;アポトーシス率増加。Wu et al. (2024). Heliyon. “Anticancer effects of high-dose extracellular citrate in pancreatic cancer.”膵がん細胞(MIA PaCa-2)で高濃度クエン酸がグルコース依存的に増殖抑制。3Dスフェロイドモデルでサイズ減少;フェロプトーシス誘導。
  • 注意点: 口腔投与の症例報告(例:甲状腺がん患者でカルシトニン50%低下)ありだが、ヒト臨床試験不足。低濃度で逆効果の可能性;高濃度(>1mM)で抗がん作用。

3. 重曹とクエン酸は、混ぜて摂取すると重曹が中和され効果減(CO2発生)。ですので、それぞれは別々に摂取した方が良さそうです。

いかがでしょうか?

重曹とクエン酸は、腫瘍の微小環境の酸性化をターゲットにした有望なガン治療における効果的な補助療法です。

どちらも副作用はほぼ無い安全な薬品なので、「ステージ4だから、もうダメだ・・・」と諦めずにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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