「肥満」は、免疫機能を衰えさせる!? ~ダイエット治療は、究極の予防医療~

ウイルスのイラスト※複数🎨【フリー素材】|看護roo![カンゴルー]
肥満の男性のイラスト🎨【フリー素材】|看護roo![カンゴルー]

みなさんは、太ると風邪(かぜ)をひきやすくなることをご存じでしょうか?

実は、肥満と免疫機能低下には関連性があることが医学的に証明されています。

肥満(BMI ≥30)と免疫機能の関係は非常に密接で、肥満により引き起こされた慢性炎症とこれによる免疫細胞の機能異常が鍵となります。

1. 肥満が引き起こす免疫の変化

  • 慢性低グレード炎症(meta-inflammation)
    肥満者の脂肪組織(特に内臓脂肪)では、マクロファーゲがM1型(炎症性)に偏り、TNF-α、IL-6、IL-1β、CCL2などの炎症性サイトカインが持続的に高値になる。
    → これが全身の炎症状態を作り、免疫を「過剔激」状態に保つ。
  • 自然免疫の過剰活性化+獲得免疫の抑制免疫細胞肥満での変化結果マクロファーゲ脂肪組織に浸潤↑、M1偏り炎症持続好中球活性酸素産生↑、NETosis↑組織障害NK細胞機能低下ウイルス・がん監視↓樹状細胞抗原提示能低下ワクチン応答↓T細胞Th1/Th17↑、Treg↓自己免疫疾患リスク↑B細胞自己抗体産生↑自己免疫増悪

2. 具体的な病気リスク(2025年メタ解析より)

・重症感染症(COVID-19、インフルエンザ、敗血症) :肥満は死亡リスクを1.5〜2.8倍に上昇(NEJM 2024) 

・ワクチン効果低下 :インフルエンザワクチン抗体価が健常者の約50%(Lancet 2025) 

・がん発生率 :13種類のがんでリスク1.2〜6倍(Nature Rev Cancer 2025) 

・自己免疫疾患 :関節リウマチ、SLE、乾癬が悪化

3. 分子レベルでみる、肥満と免疫低下のメカニズム

  1. レプチン抵抗性 → 炎症促進+Treg抑制
  2. アディポネクチン低下 → 抗炎症作用喪失
  3. 腸内細菌叢変化(dysbiosis) → LPS血中流入↑ → TLR4活性化
  4. 遊離脂肪酸(FFA)↑ → TLR4/NF-κB経路活性化
  5. ミトコンドリア機能不全 → ROS過剰産生

4. ダイエットによる免疫機能の改善(エビデンス)

  • 5〜10%の体重減少で
    → 炎症性サイトカイン30〜50%低下
    → Treg機能回復
    → インフルエンザワクチン応答が2倍に改善(J Clin Invest 2024)

5. 2025年現在の臨床的推奨(ADA/日本肥満学会)

・BMI ≥25(日本人)で免疫異常が顕著化 

 ・ダイエット治療後1年でがん死亡リスク36%減、感染症入院リスク52%減(JAMA 2025)

いかがでしょうか?

「肥満は免疫系を『常に戦闘モード』に固定し、感染症には弱く、自己免疫疾患・がんには強く反応するパラドックスを生む」ということです。

膠原病などの自己免疫疾患やがん、そして“コロナ”や“インフルエンザ”などの感染症にならないためにも、肥満予防はとっても大切です。まずは、お近くのダイエット治療医へお気軽に相談しましょう!

タイトルとURLをコピーしました