ダイエット治療に“糖質制限”は必須です。
そして、これによる“インスリン分泌の節約”が、近年の医学研究によって“がんを防ぐ”ことも分かってきました。
本稿では、ダイエット治療がどのようにして“ガンを防ぐか”について解説します。
1. がん細胞のエネルギー代謝の抑制(ワールブルグ効果への対処)
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- がん細胞の主なエネルギー源: 多くのがん細胞は、正常細胞よりもはるかに大量の**ブドウ糖(グルコース)**を主なエネルギー源として利用します。これは「ワールブルグ効果」として知られる現象です。
- ケトン体の利用: ケトジェニックダイエットは、極端に糖質を制限することで、体内のエネルギー源をブドウ糖からケトン体(主にヒドロキシ酪酸)に切り替えます。
- 選択的な栄養飢餓: 正常細胞はケトン体をエネルギーとして効率よく利用できますが、多くのがん細胞はケトン体を効率的に利用できず、ブドウ糖を奪われることでエネルギー飢餓状態に陥り、増殖が抑制される可能性が期待されています。
2. インスリン・インスリン様成長因子-1(IGF-1)経路の抑制
- インスリンとがん: 糖質の摂取は、血糖値を下げようとするホルモンであるインスリン、そして細胞の増殖を促すIGF-1の分泌を促します。これらの経路は、多くのがん細胞の成長と増殖を促進するシグナルとして機能することが知られています。
- ケトジェニックの作用: ケトジェニックダイエットは血糖値とインスリンレベルを低く保つため、インスリン・IGF-1経路からの刺激を減らし、結果としてがん細胞の増殖シグナルを弱める効果が期待されます。
3. 抗炎症作用と抗酸化作用
- 慢性炎症とがん: 慢性的な炎症は、がんの発生や進行を促進する主要な要因の一つです。
- ケトン体の効果: ケトン体、特にヒドロキシ酪酸には、炎症を抑える作用や、細胞のダメージを防ぐ抗酸化作用があることが示唆されています。これにより、がん細胞が成長しやすい環境を改善する可能性があります。
いかがでしょうか?
“糖質の過剰摂取”は結果的に“インスリンの過剰分泌”を誘発し、結果的にガンの増殖・進行を助長している一因になっています。
従って、ダイエット治療における糖質摂取のコントロール”を通じたアプローチこそが、健康的で美しいボディシルエットを得るだけで無く、ガンのリスクも軽減する一助となるわけですね!
