内臓脂肪は体の中で最も危険なものです。
臓器の周りに蓄積し、代謝を遅くし、静かに病気を助長します。
いかがでしょうか?
肥満の中でも、この”内臓脂肪肥満(内臓肥満)”はとてもやっかいな病気です。
本稿では、この”内臓肥満”の有害性についてお話しします。
1. 「悪玉アディポサイトカイン」の放出
内臓脂肪が蓄積すると、脂肪細胞から「アディポサイトカイン」と呼ばれる物質が分泌されます。これが曲者です。
- 慢性炎症の誘発: 溜まりすぎた内臓脂肪からは、TNF-α(腫瘍壊死因子アルファ)やIL-6(インターロイキン-6)といった炎症性物質が大量に放出されます。
- 全身がボヤ騒ぎ: これにより、血管や臓器が常に軽い炎症を起こしている「慢性炎症」の状態になります。これが動脈硬化、がん、老化を加速させます。
2. インスリン抵抗性の悪化(最大の敵)
- インスリンを邪魔する: 内臓脂肪から出る物質は、細胞のインスリン受容体の働きをブロックします。
- 負のスパイラル: インスリンが効かなくなると(インスリン抵抗性)、体はさらに大量のインスリンを分泌しようとします。**「高インスリン血症」**が加速し、さらに脂肪が溜まりやすくなるという最悪のループに陥ります。
3. 肝臓への「直行便」:門脈ルート
内臓脂肪は、腸の周り(腸間膜)に付着しています。ここが戦略的に非常にまずい場所なのです。
- 毒素が肝臓を直撃: 内臓脂肪から溶け出した「遊離脂肪酸」や炎症物質は、**門脈(もんみゃく)**という太い血管を通って、直接「肝臓」に流れ込みます。
- 脂肪肝と代謝異常: 肝臓が脂肪にさらされることで、脂肪肝になり、コレステロールの合成異常や血糖値の制御不能を引き起こします。
4. 「善玉ホルモン」の減少
内臓脂肪が増えると、皮肉なことに**「アディポネクチン」**という、血管を掃除しインスリンの働きを助ける「善玉ホルモン」の分泌が減ってしまいます。守ってくれる味方がいなくなるわけです。
この内臓脂肪を減らすことは、その後に起こる恐ろしい病気(2型糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、がん など)を未然に防ぐことが可能になります。
そして、最も効果的な方法とは、“GLP-1作動薬を使わない、インスリン分泌を節約する、ケトジェニック・ダイエットアプローチ”です。
